令和元年10月25日(金)に第29回 精考会支部大阪大会を開催いたしました。
今回は、中京学院大学 精神看護学分野の准教授/精考会 主宰の秋田啓次先生にお越しいただき、ご講演をしていただきました。
講演のテーマは「精神病が治るということ」。
講師:秋田 啓次 先生より
人がこの世に生を受けたことには、尊い意味があると思います。
何らかの脳の機能の働き不足で精神を患うことになったことにも、深い意味があるように思えます。
誰かが病むことにより、その病の原因究明と治療法が開発されるのです。
その人の人生を歩めるのは、他者ではなくその人自身です。
すなわち、人生自分が主人公なのです。
病魔の影響により自身の人生に自信を無くすことで、社会的にも停滞します。
これをセルフスティグマといいます。
病魔が原因で脳の機能不足が起き、停滞があるときにこそ、人という生き物の特徴を生かして支えあうべきです。
その時こそ、その人らしさという人生を取り戻す支援をし合うことも、相互扶助という人間独自のシステムだと思います。
その時に対象の過去最高レベルを想定しながら、どうなりたいかを引き出し、当事者の強みに注目し、活かしながらその後をイメージすることが必要です。
そういった意味では、拒否することや断ることができるのも当事者の強みです。
人それぞれ、人生いろいろ。
一般モデルを意識するのではなく、当事者ご本人のその後をイメージできるようなかかわりが必要だと痛感するのです。