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第23回 精考会支部大阪大会 報告

平成29年7月7日(金)に第23回 精考会支部大阪大会を開催いたしました。

 

この度は、精神に障害を持たれている方のお宅へ訪問診療をされている 三島 光泰氏 をお呼びし、ご講演をしていただきました。

三島氏には、先日開催された 第4回 精考会支部岡山大会でも講師としてお越し頂いており、今回の講演は2度目となります。

 

テーマは「精神科病院と訪問診療 それぞれの違いや当事者との関わり方について」

 

 


感想とまとめ

精考会主宰 秋田 啓次

これまで当精考会は、精神障碍者に対する地域の偏見や危険視思想というのは『精神を患う』ということを知らないが故に起こっていることなのではと感じ、それらを払しょくすることを目的とし、開催して参りました。

 

しかし今回の報告を聴き、当事者とそのご家族の持つ『セルフ・スティグマ』が、回復や自立を阻害していることを再確認しました。

 
スティグマとは,社会的に個人に押し付けられた負の表象・烙印,マイナスのレッテルです。元来,奴隷や犯罪者であることを示す刺青などの肉体的刻印のことを指す言葉であったそうです。

セルフ・スティグマとは、このような感情を当事者やそのご家族自身がもつ、劣等感のようなものです。そのため自身で社会的不利な状況を予見し、一歩を踏み出せないでいる状態のことを示します。

 
私は、精神病者と精神障碍者という表現をきちんと使い分けているかどうか自問しました。セルフ・スティグマによって、自立を自身で阻んでいてしまっている状態を精神障害と表現するのかもしれません。

 
今回の報告に共通することは、訪問診療によって支援されたすべての困りごとが、病気の事ではないということだと思いました。病気による反応のためにできなくなったことや、発生した問題に対し、訪問看護師は寄り添い、解決のための自立を促していました。
要するに解決するのはあくまでも自分自身であり、専門家に寄り添われたことによりセルフ・スティグマを乗越える力ができた結果だと感じました。

 
この報告は精神障碍者のみならず、日常で心が折れそうなときにとても役立つと感じます。事例から学べる名言も沢山埋もれていました。
本当に有意義でした。
これからもこのような貴重な報告を、できるだけ多くの人に聴いていただくため、頑張らなければと思いました。

 

次の大阪大会は10月を予定しています。
10月もこのような貴重な事例報告や体験発表をやっていきたいと思っています。

 


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