平成30年2月23日(金)に第25回 精考会支部大阪大会を開催いたしました。
講演内容
講師:秋田 啓次 先生(姫路獨協大学精神看護学分野 / リスクマネージャー)
「統合失調症のリアリティ」
感想
統合失調症のリアリティと題して、統合失調症を患った人々に、いったいどのようなことが起きているのかを学びました。
冒頭に、バーチャルハルシネーションを通して青年期の統合失調症の前駆症状を知り、そのあとにヤスパースの理論である限界性自我意識の障害からわかりやすく学びました。人の眼が必要以上に気になるとか、水道の音が耳について不快な状況を超えてイライラするとか、何かをしようとすると緊張してできなくなる等の体験は日常でもありそうです。
また、度を越した勘違いも時にはあるかもしれないと思いました。
人という個体は、一枚の皮で閉じられている。自我もその人独自で、外界から閉じられている。その境界が何らかの原因で破たんすると、外界と交通するために自己と他者との境界があいまいになる。それは時制とも交通し、過去(記憶)・現在・未来(思考)との境界もあいまいになり、様々な症状が起こるのだということがわかりました。
他人ごとではない気がします。疲労や精神面のストレスが過剰に大きい時、自分自身でないような感覚になることも納得できました。
症状には陽性症状と陰性症状があることもよくわかりました。陽性症状には薬物が効果があり、陰性症状にはリハビリテーションが必要だと学びました。
これらのことを十分に認識して精神病者への対応に気を付け、また自分でも心のコントロールをしていきたいと思いました。