平成29年度・30年度方針

精考会開催の意義

これまで精考会は、精神障碍者に対する地域の偏見や危険視思想というのは『精神を患う』ということを知らないが故に起こっていることなのではと感じ、それらを払しょくすることを目的として開催して参りました。

しかし第4回支部岡山及び第23回支部大阪での報告を聴き、当事者とそのご家族の持つ『セルフ・スティグマ』が、回復や自立を阻害していることを再確認しました。

スティグマとは、社会的に個人に押し付けられた負の表象・烙印、マイナスのレッテルです。
セルフ・スティグマとは、このような感情を当事者やそのご家族自身がもつ劣等感のようなものです。自己烙印ともいえます。そのため、自身で社会的不利な状況を予見し、一歩を踏み出せないでいる状態のことを示します。

私は、精神病者と精神障害者という表現をきちんと使い分けているかどうか自問しました。
その結果、セルフ・スティグマによって自立を自身で阻んでいてしまっている状態を精神障害と表現するのかもしれないという結論に至りました。

今回の報告に共通することは、訪問診療によって支援されたすべての困りごとが病気の事自体ではない、ということだと思いました。
病気によって起こる反応のためにできなくなったことや発生した問題に対し、訪問看護師は寄り添い、解決のための自立を促していました。要するに、解決するのはあくまでも自分自身であり、専門家に寄り添われたことによりセルフ・スティグマを乗り越える力ができた結果だと感じました。

確実に治療を続けセルフスティグマを乗り越えることも、精神障害者の自立、つまり地域で暮らすことを継続するチカラとなるのではないかと感じています。

そのために少しだけ支援が必要です。地域のあらゆる人々を対象として、この支援ができる人材づくりのための教育を実施していきたいと思っています。
これは、精神障害者のみならず、日常で心が折れそうなときにとても役立つことなのです。