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第1回岡山精考会 報告

2015年6月6日、第1回岡山精考会が開催されました。地方で初めての開催でしたが、40名強の参加者に来ていただき、無事に終了することができました。
通常の例会は、講師の先生が講演を行う形式で開催しておりますが、今回の岡山精考会は「障がいを持つ方の立場」「教育者の立場」「法律家の立場」の先生方に東京・大阪よりお越しいただき、パネルディスカッション形式で行いました。

パネラー紹介

障がいを持つ方の立場:橋本 晶弘(視覚障がい者)
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我々、何らかの障がいのある人間が地域社会で充実した日常を送っていくためには、周りの人のサポートや法律・制度が整う時を待つだけではなく、自身も考えて動き、発信していかなければなりません。もちろん障がい故にできないことも多くあります。ですが、できないからと言って投げるのではなく、どうすればできるようになるのか、代用することはできないかを考え、そこで浮かんだ考えをまずやってみることが重要です。そのように自分自身を表現・発信することによって、周りの方からの障がいに対する理解も進み、より円滑なコミュニケーションが生まれ、生きやすい環境ができていくのではないでしょうか。

教育者の立場:安田 美彌子(東京医療大学 精神看護学 教授)
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・共に生きる看護師を目指して
・地域医療・看護を目指して
・地域ケアとは
・現実の看護学生
・精神看護のカリキュラム
・授業での工夫
・臨床現場の看護職
・私の目指す看護師

コチラからPDFをご覧いただけます⇒【共に生きる看護師を目指して】


法律家の立場:岡本 正(岡本正総合法律事務所 所長 弁護士)
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障がい者の地域移行のためには、それを支える政策基盤が不可欠です。厚生労働省では、障害者雇用促進法などにより就業の活性化を図っていますが、生活する地域そのものが主役となる政策が必要です。このためには、見守りや孤立防止のための「個人情報の利活用」が必要です。緊急時だけではなく、平常時から、地域や支援団体が支える障がい者の個人情報を把握しておかなければなりません。プライバシーの配慮は当然ですが、だからといって保護の過剰反応が起きては本末転倒です。すでに先進的な自治体の取り組みがあります。ぜひ地域で支えある仕組み作りを考えていただきたいと思います。拙著『災害復興法学』では、「個人情報は個人を救うためにある」とのメッセージを込めて、事例を数多く紹介しておりますので、ぜひご参照ください。
【災害復興法学 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766421637/】

まとめ

座長:秋田 啓次
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今回の岡山大会は、精考会初めての地方でのチャレンジでした。東京、大阪のように講演形式でなく、地元の人々に意見参加をしてもらいたかったのです。開催地の風土や文化を知らない中、障害者に対しての思いや取り組みも違った方向性があるのかもしれません。安易な開催で、傷つく人がいたり、モチベーションが低下することがないように、開催することで、少しでも勉強になった、勇気づけられたと思ってもらえるようにするにはどのように計画すればよいのだろう・・・。
昨年、岡山開催の話を出しましたが、なかなか進みませんでした。それが今年の2月にパネラーの橋本さんにお会いすることができ、一気に岡山大会のイメージが広がりました。橋本さんを通じて感じたことは、障害の有無にかかわらず、自己を他者に理解してもらうために必要なスキル自己理解とそれを他者にアピールする力、勇気そして努力。これらは、障害の有無に関わらず万人に必要な、人生で一度は精一杯努力する時があるように人生を自分で決めるための力だったのです。ですから、「障害者」「障がい者」「障碍者」の文字へのこだわりがあり、本大会で統一することをあえてせずに会場参加者の皆様とも一緒に考えてもらうことに気づきや意義が発生するかもしれないと期待しました。
参加者から「障害者だけでなく、自分の人生に役に立った」「障害者だけの話ではないよね」等の感想が得られたのは、本大会が意図する成功に繋がったのではないかと喜んでいます。ともあれ、本機会がなければ一生涯出会うことのなかった人と人同士にご縁があり、今後につながることは、障害を超えた意義深いものになったのではないでしょうか。
参加者の皆様、役員の皆様、パネラーの皆様に感謝し、お礼の言葉とします。

岡山精考会ようす

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懇親会の様子

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参加者の声

参加された皆様より、メッセージをいただきましたので、紹介いたします。

工学博士 竹本菊郎 様

この度の「岡山大会」は、“パネラーと参加者が一体化した場“になったことは非常に有意義なことであった。それは、日常生活でありがちな「誰かがやってくれるだろう」という受身的で待ちの姿勢の生き方から、前を向いて積極的に生きていく姿勢へと切り替えることを”考えさせられる場”となったからである。
これも秋田代表をはじめとした岡山の有志のお陰の賜だと感謝しております。今回の「岡山大会」で感じたことは、精神病患者に限定した内容ではなく、“全てのことに通じる「原点の活動」である”と思うと共に、この活動をもっと広く拡大・発展させていくことが“今の日本にとって大切なこと”と思いました。
また秋田代表の「まとめのメッセージ」も素晴らしい内容であり、これこそがまさに今回の総括であったと私は思っております。
ご参考までに、「私が理解し得たこと(骨子)」を要約しました故、皆様方の何等かの一助になれば幸いです。
「私が理解し得たこと(骨子)」PDFはコチラからご覧いただけます

ファシリテーター N様

はじめて精考会に参加しました。
精神看護についての理解を深めることができて良い時間でした。
多様な方々が関わり合いながらサポートし、できること・できないことを明確にすることも大切なんだなと感じました。
僕自身、障害を持っていても働ける会社を増やしたいという想いがより強くなってよかったです。
貴重な機会をありがとうございました。

就労支援事業所勤務 T様


就職活動を行い、なぜ採用されないのかを考え、そこから相手の企業が自分が働くイメージがついていないからだという発想にいたるのも驚きでした。また、そこから自分が出来ること、配慮があれば出来ること、配慮してほしいことなどをプレゼンを行う行動力など、感心させられました。
障害は個性という言葉、大変共感しました。

医療法人社団 薫楓会 緑駿病院 社会福祉士 橘田裕生様

病院に勤務する社会福祉士として今回の大会で他職種の方々と知り合うことができ、コミュニケーション広場としても充実しました。特に橋本様のお考えに深く感銘を受け、人としても成長しなければならないと改めて考えさせられました。

医療系システム会社 M様

パネラーの先生方にそれぞれ大変示唆に富むお話しを頂き、その後の質疑も活発でした。終了時、会場がまだ話したりない雰囲気のパネルディスカッションは久しぶりだったと思います。
実際声に出して意見をぶつけ合うことの大切さを改めて感じました。
また是非こうした機会が有ればと願います。

看護師 O様

障害者の橋本さんの前向きな姿勢に感動しました。
障害者だからといって、やってもらって当たり前ではなく、自らがアピールしていく姿勢が素晴らしいと思いました。
私も軽度ですが、障害があります。身体的には無理でも心はいつも健康でいたいと思いました。
後、安田先生の今の若い方の看護教育のあり方もとても参考になりました。なんで、そんな思いや考え方になるの不思議でしたが、私とも年代が違い自分たちが受けた教育と違って当たり前だとハッと気づかされた瞬間でした。
お泊りで交流会でいろんなあり方と知りあえたことも良かったです。
今、こうして学べる環境にいることに本当に感謝します。いろいろお世話になりありがとうございました。

岡山事務局 イケル

興味を持って、知ることの大切さもと、何か自分に出来ることを探そうとするパネラーをはじめ参加者の気持ちを強く感じました。
知らず知らずのうちに精神障害、身体障害などいろいろな固定観念をもっていると思います。そして、今の社会はある程度の福祉制度が障害と言われる方を守っています。勝手な固定観念と、守られて遠ざかった障がい者の方々が、より離れた存在になってきたと感じました。
自分たちが出来ることは、小さなことでも興味を持ち知ること。そして、広げていくこと。それぞれの個性をいかす社会にするために出来ることはたくさんあります。
特に今回は、身体障害の方のお話しがとても印象に残りました。守ってあげるのではなく、一緒に社会を形成したいと感じました。それぞれの個性を活かす社会。障害にかかわらず、そういった社会づくりにみんなが参加することの必要性を強く感じ、引き続きみなさんと活動していきたいと思います。