2015年8月21日(金)、第1回兵庫精考会が開催されました。「地域で暮らす障害のハードル 若い世代からの主張 福祉を支える未来図」と題し、前回の岡山精考会と同様にパネルディスカッション形式で行いました。
パネラー紹介
ソーシャルワーカーの立場:橘田 裕生
社会福祉士は、昭和62年5月の第108回国会において制定された「社会福祉士および介護福祉士法」で位置づけられた、社会福祉業務に携わる人の国家資格です。社会福祉士資格は国家資格ですが、医師や弁護士のように「業務独占」の資格でなく、「名称独占」の資格です。社会福祉士の面接技法で基本となる、バイスティックの7原則があり、その原則に基づいて面接を行っています。また、活動の場としては医療機関・行政・福祉施設等幅広く活躍しています。
医療ソーシャルワーカーの業務や事例、心療内科でのソーシャルワーカーの業務や事例、福祉施設のソーシャルワーカーの体験談や業務についてご紹介しました。
就労支援の立場:廣田 雄
障害者就労移行支援事業所とはどのような方を支援しているか、就職、職場定着に向けた取り組みについて最初にわかりやすく解説しました。その後、実際に支援させていただいているメンバーさんの実例を元に事例紹介を行いました。
就職が適った成功事例と現在も支援を続けている困難事例の2つのケースをご案内しました。この2ケースを通して実際の支援現場ではどのようなやりとりがおこなわれ就労に向かっているかを少しでも感じていただければと思っています。就労分野においては「企業の障害に対しての理解と本人の障害に対しての理解の双方に食い違いや配慮が足りないためにハードルが高くなりがちだと個人的には思います。
関連機関の立場:長野 紘貴
楽しく地域で暮らすためには、自分も周りも幸せに暮らすにはどうすればいいのか。僕にはハッキリとした答えがありません。ただ大切なことは、「対話」だと思います。対話を通じて、関係性の中からお互いの価値や強み、そして可能性を生み出すことができると思います。僕自身、対話によって自分の本当にやりたいことを問うことができるようになりました。
いま自分が本当にやりたいことは、最高に楽しく働ける会社を増やすことです。もちろん、僕自身も最高に楽しく仕事がしたいと思っています。
障害のハードルを失くすというか、障害が障害ではなくなる方法として僕が実践しているのは「組織開発」です。ファシリテーションやコーチングもその中の一つと捉えています。この実践を通して、「人って変わるんだ!」という瞬間をいくつも経験しました。他人を変えることは難しいですが、様々な関係性の中で、自分自身で気づき変化することができます。
まとめ
座長:秋田 啓次
今回の兵庫大会は、実質は9回目となります。2012年4月から毎月開催していましたが、その後休会していました。精考会初めての地方でのチャレンジである岡山大会は、お陰さまで大成功ではなかったかと自負しています。岡山大会で成功した、講演形式ではない、会場参加型のパネル形式で皆様の意見を聞きたかったのです。安易な開催で、傷つく人がいたり、モチベーションが低下することがないように、若い世代の意見を聴く機会として開催することで、少しでも勉強になった、勇気づけられたと思ってもらえるようにデザインしました。
6月の岡山大会で得た貴重な当事者のご意見、障害の有無にかかわらず、自己を他者に理解してもらうために必要なスキル自己理解とそれを他者にアピールする力、勇気そして努力。これらは、障害の有無に関わらず万人に必要な、人生で一度は精一杯努力する時があるように人生を自分で決めるための力だったのです。
ですから、「障害者」「障がい者」「障碍者」の文字へのこだわりがあり、本大会でも統一することをあえてせずに会場参加者の皆様とも一緒に考えてもらうことに気づきや意義が発生するかもしれないと期待しました。
ですから、「障害者」「障がい者」「障碍者」の文字へのこだわりがあり、本大会でも統一することをあえてせずに会場参加者の皆様とも一緒に考えてもらうことに気づきや意義が発生するかもしれないと期待しました。