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第7回精考会支部岡山 報告

2025年10月31日(金)、第7回精考会支部岡山大会を開催いたしました。

今回は、岡山市南区にある「かんかくもーる」にて大会を行いました。
「かんかくもーる」は、障害や特性を抱える方とそのご家族の遊び場・くつろぎ場を提供する施設です。ヨーロッパ発祥で五感にやさしく作用する「スヌーズレン」の空間を完備しています。

 
 

本大会のテーマは「共創で拓く、地域と事業の新しい関係」
館内を見学後、お二人にご登壇いただきお話を伺いました。
 

講師紹介


講師1:大西 直美 氏

自身の難治性疾患(線維筋痛症)への罹患がきっかけで、
高齢者や障がい者に特化した空間づくりを行う個人事業
(inclusive design 彩榮(いろは))を創業。
その後、ヨーロッパ発祥のスヌーズレンに出会う。
日本におけるスヌーズレンの第一人者、
河本佳子氏(スウェーデン在住)ら指導のもと、
スヌーズレンの環境づくりとその中での関わり合いを学び、
2022年5月 自宅にスヌーズレンの体験ルームを設け、無料公開を開始。
2024年4月には、より多くの人が利用できる民間のスヌーズレン専門施設として「かんかくもーる」をオープン。

今回の登壇では、今までのご自身とかんかくもーるの歩みとこれからについてをお話いただきました。
障害や特性を抱える方・そのご家族の居場所としてスヌーズレンが日本中に広まるよう、日々尽力されています。

 

講師2:糸山 智栄 氏

株式会社えくぼの代表として、女性の働きやすさにこだわったホームヘルパー事業を展開。
「ずっと自宅で暮らしたい」という高齢者の願いを支援するため、様々なサービスを行われています。
また、社会活動として学童保育や農業福祉連携にも取り組まれ、地域の中で「医療・福祉・介護」のつながりを大切にし、フードバンク岡山の活動を通じて生活支援や地域の居場所づくりを広げられています。

 

総評

2018年以来、久々の岡山開催となった第7回精考会例会in岡山には、岡山・兵庫・埼玉から計15名が参加し、立場や専門を超えた対話の場となりました。

今回あらためて強く感じたのは、精神障害や障害者問題は、当事者や福祉・医療に関わる人だけで解決できるものではないということです。
それは単なる「支援の問題」ではなく、地域社会全体のあり方そのものであり、私たち一人ひとりの関わり方が問われているテーマだと感じました。

精考会が大切にしているのは、「精神障害があるから困難」と決めつけるのではなく、障害の本質を理解し、地域の中でどう協働できるかを考え続ける姿勢です。
誰かが特別に支える社会ではなく、相互扶助が自然に機能する地域づくりこそが目指す姿であり、今回の例会を通じてその重要性を再認識しました。

登壇された大西直美さんと糸山智栄さんは、普段から岡山県中小企業家同友会において、経営者として共に学び、経営力を切磋琢磨しているお二人です。
また、同友会の専門委員会である「障害者問題委員会」にも所属し、行政や障害者団体などに対して、現場の実態を踏まえた働きかけを継続的に行っています。
そのため、今回の報告には、理念や理想論にとどまらない、実践と経営の両面からの重みが感じられました。

大西さんのスヌーズレン常設施設の実践は、人と人が感覚を通してつながる「地域の場づくり」そのものでした。
本当に利用してほしい人にどう届けるか、そして活動を継続していく難しさに向き合いながらも、言葉や理解力に頼らない関わりの中に、人間の本質的なコミュニケーションがあることを示されていました。
それは、障害の有無を超えた共生社会への大きなヒントだと感じます。

また、糸山さんの報告からは、訪問介護を軸に、学童保育、農業福祉連携、フードバンク活動へと広がる実践が紹介されました。
競争社会であり、制度も整っているはずの日本においても、必ず弱者が生まれ、制度の狭間で手が届かなくなる人がいる。
その現実を改めて突きつけられた思いです。

両者の実践に共通していたのは、「支援を活動で終わらせない」という視点でした。
地域のお役立ちを“事業”として磨き続けること、そしてそれを持続可能にするための経営力の重要性が、強く伝わってきました。

福祉や医療の課題を、善意や使命感だけに委ねるのではなく、
企業や事業者が地域の一員として関わり、価値を生み出し続けていく。
その積み重ねこそが、結果として地域の安心や暮らしを支える力になるのだと感じます。

今回の例会は、
「障害者問題をどう支えるか」という視点から、
「地域として、企業として、どう関わり続けるか」へと視野を広げる機会となりました。

精考会は今後も、学びと実践を重ねながら、
誰もが地域で生き、支え合える社会のあり方を探求し続けていきます。

 

参加者の感想

精考会 第7回岡山大会に参加させていただきました。
支援が必要な方へのサポートとして、様々な支援方法を知ることができました。
まだ日本では広まっていない他国発の事業や、支援現場での現実的な問題など、それぞれの理念を大切にしながら支援活動を行う姿に感銘を受けました。
また、関連のお仕事をされている参加者も多く、発表に関する議論で盛り上がりました。

 

次回は話し合いの時間を長く設けたいと思います。
みなさま、この度のご参加・ご協力、誠にありがとうございました。

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